岡田外務大臣

岡田外務大臣のインド訪問(概要)

平成22年8月22日

(英語版)

  • (写真)岡田外務大臣のシン・インド首相表敬
    岡田外務大臣のシン・インド首相表敬
  • (写真)クリシュナ・インド外相との第4回外相間戦略対話   (写真)クリシュナ・インド外相との第4回外相間戦略対話
    クリシュナ・インド外相との第4回外相間戦略対話


 岡田外務大臣は8月21日(土曜日)から22日(日曜日)にかけてインドを訪問し、クリシュナ外相と第4回日インド外相間戦略対話を行ったほか、マンモハン・シン首相をはじめインド要人と会談を行ったところ、概要は以下のとおり。

1.クリシュナ外相との第4回外相間戦略対話

 8月21日(土曜日)、岡田外務大臣とクリシュナ外相との第4回日インド外相間戦略対話が実施され、二国間関係及び地域と国際社会の様々な課題について幅広い意見交換が行われた。主な内容は以下のとおり。

 (注)日インド外相間戦略対話は2007年以降毎年日インド交互に実施されており、昨年は7月に東京で実施。

  1. (1)二国間関係
    • 経済分野については、クリシュナ外相より、継続的な日本からのODAによる支援に感謝の意を表されるとともに、両外相間で、貨物専用鉄道建設計画(DFC)やデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)を着実に実施していくことで一致した。また、岡田外務大臣より、経済に関する閣僚級の対話を設けることを提案し、クリシュナ外相より前向きに検討する旨の回答があった。経済連携協定(EPA)交渉については、両外相は、本年中に予定されているシン首相訪日までに交渉の妥結を目指すことを確認するとともに、現在残されている問題に関する意見交換を行った。
    • 民生用原子力に関し、クリシュナ外相より、日インド原子力協定交渉の開始決定に対する謝意が示された。岡田外務大臣より、本件は外務大臣として最も困難な決断であったと述べるとともに、仮にインドが核実験を実施した場合には日本としては原子力協力を停止せざるを得ないことを伝えるとともに、インドに対し核軍縮・不拡散での更なる具体的な取組を要請した。また、岡田外務大臣より、日本としてはインドによるCTBTの早期署名・批准や核兵器用核分裂物質生産モラトリアムに向けた努力を重視している旨述べた。クリシュナ外相は、インドによる核実験モラトリアムをはじめとする「約束と行動」へのコミットメントを改めて表明するとともに、原子力協定交渉のタイムラインは設けておらず、良い合意に向け日本と協働していきたい旨述べた。
  2. (2)地域的・国際的課題
    • 両外相は、東アジア首脳会議(EAS)への米露の参加を歓迎するとともに、地域のアーキテクチャーに関する意見交換を行った。また、国連安保理改革に関し、岡田外務大臣より、本件はグローバル・ガバナンスの一環として考えるべきと述べるとともに、両外相は、G4の中での協議を強化すること、及び9月の国連総会時にG4外相会合を開催することで一致した。また、アフリカに関し、日インド間でアフリカに関する対話を強化していくことで一致した。
    • 更に、両外相は、アフガニスタン、パキスタン、北朝鮮等の地域情勢につき意見交換を行った。

2.インド政府要人との会談等

  1. (1)  21日(土曜日)にマンモハン・シン首相を表敬訪問した。EPAに関し本年のシン首相訪日までの交渉妥結に向け努力することで意見が一致するとともに、民生用原子力協力については、岡田外務大臣より、協定交渉開始の決定を踏まえインドによる核軍縮・不拡散の一層の取組を要請し、シン首相よりは核実験モラトリアムの継続等のインド側の姿勢につき説明があった。また、国連安保理改革の実現に向け日インド両国で協力していくことで意見が一致した。
  2. (2)  21日(土曜日)にアルワリア計画委員会副委員長と会談し、低炭素社会の実現等気候変動問題を中心に意見交換を行った。
  3. (3)  22日(日曜日)にラメシュ環境森林大臣と会談し、本年10月に名古屋で実施される生物多様性条約COP10に向けた緊密な連携を確認するとともに、気候変動問題に関しCOP16に向けた国際交渉の進め方や低炭素社会の構築に向けた二国間協力につき意見交換を行った。
  4. (4)  このほか、21日(土曜日)夜に在留邦人との懇談や22日(日曜日)に我が国のODAで建設されたデリー・メトロの視察を行った。
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